判断軸は、楽しいかどうか。

2014年5月15日 林 賢司 - 「FoundingBase」共同代表 -
僕が望む未来は、「とにかく楽しい社会」です。
「そりゃそうだ」と思うかもしれませんが、注意してほしいのは「社会とは個人の集まり」であり、とにかく楽しい社会を実現するには、「とにかく楽しいと思いながら過ごしている個人」がたくさんいないといけない。

今の社会を見てみた時、僕はとにかく楽しいという気分が社会全体にあるようには感じません。なんというか、愚痴や批判が多い気がする。何かやろうにもできない理由がどんどん出てくるし、過去を美化して「昔は良かったが今はダメ」という話が聞こえてくる。

「そういう人がいてもいいじゃないか」と言われればそれまでですが、僕は少なくとも自分がいる社会は楽しいものがいいなと思うので、それじゃなぜ楽しい気分が社会にないかを考えてみると「日々楽しく過ごす人が少なく、かつその環境を自分で楽しいものに変えちゃう人も少ない」ってことがあるんじゃないかと思う。色んな理由はあるでしょうがね。

僕は島根県津和野町という町で、自治体や町民と一緒に町づくりの仕事をしています。内容は「大学生が学校を休学して、自治体職員になって色んな事業を行う」というもので、現在津和野町には6人の学生が町長付という肩書で滞在し、合わせて20前後の事業を町民や役場職員と行っています。

津和野町は東京からとても遠いし、典型的な田舎と思われるところです。町には未来を憂いたり町に愚痴をこぼしたりする人もたくさんいます。でも何かを変えなければ明るく楽しい未来はやってこない。現実を見つめて、どうしたら自分たちが楽しい町を作れるかを考え、議論し、実際に事業として展開していっています。

僕らの活動は、多くが新しい試みです。言い換えると「結果がどうなるかが説明出来ないこと」をしています。度々「それをやって何の意味があるのか?」を聞かれます。もちろん計画していることは説明できるけど、最後の最後の部分ではやってみなければわからない。むしろ、わからないことだからこそ、やる必要がある。今までのことをしていると愚痴ばかりの社会になるのだから、今までとは違うことをしなければならない。

それでも先行きがわからないことには不安がつきまとうし、不明確であることを批判する人もいる。だからこそ、「それをやったら楽しいかどうか」を僕らは真剣に考えています。まずは今の環境を楽しくできることを考える。そうすると仲間も集まってくるし、お金も集まるし、知恵も集まる。結果は分からなくても、良い結果に導くアイデアを皆で出せばいい。そしたらまた楽しくなっていって、良い影響がどんどん連鎖する。楽しむことって大きな力があると思うんです。


何よりも、その仕事を楽しんでいる状態。そういう人がたくさんいる社会が僕の実現したい「とにかく楽しい社会」であり、最初に皆さんが「そりゃそうだ」と思ってくれたものなわけで。まずはそのシンプルなところからしっかりとやっていきたきと思ってます。
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