2014年6月19日 日経「イラク政権、反転攻勢」「武装組織を空爆」「一部拠点、治安部隊が奪回」

日経に「イラク政権、反転攻勢」「武装組織を空爆」「一部拠点、治安部隊が奪回」日経に「イラク政権、反転攻勢」「武装組織を空爆」「一部拠点、治安部隊が奪回」が書かれている。

「イラクのマリキ政権は15日、同国北部から首都バグダッドを目指しているイスラム過激派武装組織への反転攻勢を本格化した。首都北方で攻防戦を展開し、空爆も実施。武装組織の勢いがそがれ、侵攻に歯止めが掛かる可能性が出ている。米軍が空母ジョージ・ブッシュをペルシャ湾に移動するなどイラク情勢は緊迫の度を増している。

マリキ首相は13日、首都の北方約120キロメートルにあるサマラを訪れ『サマラは最終防衛ラインではなく、集結・出撃地点だ』と宣言。治安部隊高官らを前に、武装組織への反撃姿勢を強調した。

サマラ近郊ではここ数日、イスラム教スンニ派の武装組織『イラク・シリアのイスラム国』が攻勢を掛けていたが、治安部隊が反撃し、15日までに2つの小さな町など一部の拠点を奪い返した。部隊の報道官は同日、過去24時間で武装組織の279人を殺害したと発表したが、詳細は不明。AFP通信が伝えた。

武装組織側は10日にイラク第2の都市モスルを掌握。南進して12日までに要衝ティクリートも制圧し、サマラに迫った。しかし政権側の防戦でサマラ攻略に失敗しており、バクバでも郊外で侵攻が止まっている。

政権側の反攻作戦にはシーア派の民兵も加勢。バグダッドや同国南部では、シーア派最高権威シスタニ師が決起を呼び掛けたのに応じ、戦闘参加を志願する住民が相次いでいる。マリキ政権はシーア派を支持基盤としている。

現地からの報道によると、政権側は武装組織の支配地域にヘリコプターによる空爆を断続的に実施している。バグダッドに隣接するディヤラ州ジャラウラ近郊では、空爆でクルド自治政府の治安部隊員7人が死亡した。クルド部隊は中央政府部隊の撤退を補う形で展開しており、誤爆の可能性がある。

武装組織は支配下にあるティクリート郊外に地雷を敷設し反攻に備えている。ディヤラ州のハリスでは15日、政府軍施設に迫撃砲の攻撃があり、兵士ら6人が死亡した。

バグダッドでは同日、自爆テロで少なくとも9人が死亡。武装組織の攻勢に呼応している可能性もあり、首都の治安悪化に懸念が高まっている。

一方、米国は空母ジョージ・ブッシュをミサイル巡洋艦、ミサイル駆逐艦とともにペルシャ湾に移動させ、オバマ大統領の決断次第でイラクに軍事行動をとる態勢を整えている。オバマ氏は13日、地上部隊の派遣を改めて否定しつつ『数日以内に支援策を決める』と表明。無人機による限定的な空爆などを視野に置いているとみられる。

ただ軍事介入に踏み切った場合、イラクの宗派対立を一段とあおりかねず、市民の犠牲が増える懸念もある。

ケリー米国務長官は14日、イラクのジバリ外相との電話協議で、イラクが宗派間の対立を越えて団結しなければ米国の支援は成功しないと注文をつけた。テロとの戦いに向け、イスラム教スンニ派やシーア派、クルド人の権利を尊重するようイラク政府に求めた。ケリー氏は武装組織「イラク・シリアのイスラム国」の侵攻をイラク治安部隊が押し戻せるよう、オバマ米大統領が支援策を検討中だと強調。国際社会や近隣諸国と手を携えると表明した」。

イラクのマリキ政権が15日、イスラム教スンニ派の武装組織「イラク・シリアのイスラム国」への反転攻勢を本格化し、首都進攻を目指す勢いを止めることに成功した。今後、同じシーア派のイラン、シリアの協力も取り付け、国内のシーアの民兵も加勢し、米軍の空爆支援もなされることから、武装組織「イラク・シリアのイスラム国」の敗北となりイラクからの撤退となるか。

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