2014年4月26日 毎日「クローズアップ2014」 「米大統領来日」「『TPP進展』肉付けが焦点」

毎日の「クローズアップ2014」に「米大統領来日」「『TPP進展』肉付けが焦点」が書かれている。

「日米両政府は21日、TPPの実務者協議を東京都内で再開した。5月にTPP交渉参加国による閣僚会合を開き、今夏までの大筋合意に道筋をつけたい米国は、農産品の関税問題で日本の大幅な譲歩を引き出すことを目指す。一方、『首脳会談は交渉のタイムリミットでない』(岸田文雄外相)とする日本は、牛肉などの関税維持の姿勢を崩していない。首相とオバマ大統領は会談後、『協議進展』をアピールする方向だが、進展の中身をどこまで具体的に詰め、TPP交渉の前進につなげられるかが焦点になる。

『ものすごく複雑な組み合わせで合意案を考えなければいけない中で、何一つとして決まっていない』。TPP政府対策本部の渋谷和久内閣審議官は21日、記者会見し、首脳会談での『大筋合意』は難しいとの認識を示した。

政府関係者によると、米国は、5月中旬に中国・青島で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合後、近くの国ですべての交渉参加国(12カ国)による閣僚会合を開きたい考え。そこでの地ならしを経て、7~8月ごろに大筋合意に持ち込むのが狙いだ。

そのためには、首脳会談で単に『進展』を表明するだけでなく、コメなど農産物重要5項目の関税問題について打開のめどをつける必要がある。逆に議論が平行線をたどれば、米国のシナリオは揺らぎ、いつ大筋合意できるのかの見通しすら立てられなくなる。

ただ、米国内での求心力低下が指摘されるオバマ大統領にとって、11月の中間選挙を前に日本に大きく歩み寄るのは難しい。夏の大筋合意を念頭に置いた交渉は事実上、『日本に譲歩を迫る戦術』(日本政府関係者)。日本の経済官庁の幹部は21日、5月の閣僚会合開催について『聞いていないし、あるはずがない』と反発。甘利明TPP担当相も『日米間の合意のめども立っていないのに閣僚が集まっても意味はない』と周囲に漏らしているという。

岸田外相は21日、東京都内で講演し、TPP交渉の日米協議について『大統領の訪日はタイムリミットではない』としつつ『最後は大きな政治決断もあり得る』と強調。首脳間の話し合いが、米国側の譲歩も含めた局面打開に結びつく可能性もあるとした。

甘利氏と米通商代表部のフロマン代表による16~18日の閣僚協議で、日本は農産物の重要5項目について『関税撤廃はできない』との立場を説明。米国は、牛・豚肉や乳製品の一部で、大幅な関税引き下げと中長期的な関税撤廃を求めており、隔たりは埋まっていない。

<「報道が協議壊す」異例の要請>
TPP交渉に関する報道をめぐって、TPP政府対策本部の渋谷内閣審議官は21日の記者会見で、新聞、通信、テレビ各社に報道を見直すよう異例の要請を行った。渋谷氏は日米の協議実態が『少なくとも日本の報道と違う』と指摘。報道により米国が不信感を抱き協議に支障をきたしているとの認識を示した。さらに『日米が牛肉関税9%以上で折り合った』などとの報道を念頭に、報道機関3社を名指しした上で『積み重ねたガラス細工が報道で壊れた』と批判した」。

読売報道がやり玉にあがり、TPP対策本部に出入り禁止となったが、「大筋合意」は、報道の通り9%以上で折り合うことになる

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