2017年9月4日 読売「スキャナー」に「野党再編 道険し」「前原新代表」「連携 小池氏か『民共』か」「非自民3度目の挑戦」

読売の「スキャナー」に「野党再編 道険し」「前原新代表」「連携 小池氏か『民共』か」「非自民3度目の挑戦」が書かれている。

「民進党の新代表に選出された前原誠司氏は『蓮舫路線』からの転換に乗り出す。共産党との選挙協力見直しを掲げ、民進党を核とした野党再編に意欲を見せるが、党内リベラル派や地方組織には慎重意見も多く、道のりは険しい。

<無効票8>

『非常に難しい船出だという思いを強くした。今、この場で政権交代と言っても、国民は<何を言ってるんだ>となるだろう』

新代表に選出された直後にもかかわらず、壇上に立った前原氏の表情はさえなかった。国会議員142人のうち83人の支持を集めたが、8人が無効票を投じたからだ。『離党予備軍』との見方が広がり、前原氏は『選挙が近いということで浮足立っている人がたくさんいる』と分析した。

民進党では、離党者が相次いでいる。『無効票8』は、「民進党に突きつけられたものだ」(中堅)との受け止めもあり、前原氏は土俵際からの出発となる。

再編論者として知られる前原氏は『民進党の名前にはこだわらない』と繰り返し発言し、非自民勢力の再結集を呼びかけてきた。1992年の日本新党、98年の民主党の結党に参加し、政権交代を実現させた前原氏にとって、今回は3度目の挑戦になる。民進党が核となって野党再編を主導するためには党内結束が最初の関門となりそうだ。

カギを握るのは、東京都の小池百合子知事だ。7月の東京都議選では小池氏が率いた地域政党『都民ファーストの会』が圧勝、自民党に代わる受け皿としての可能性を示した。同じ日本新党出身の小池氏に対し、前原氏はこの日も『理念政策に共鳴してくれるところと協力するのは当然だ』と秋波を送り、連携に含みを残した。

小池氏側近の若狭勝衆院議員(無所属)は政治団体『日本ファーストの会』を設立し、9月16日には小池氏を講師に招いて政治塾を開く。民進党を離党した細野豪志・元環境相らとは、年内の新党結成を念頭に頻繁に接触している。

前原氏は、かつての『天敵』だった自由党の小沢共同代表とも会合を重ねてきた。小沢氏が説く『民進、自由、社民3党の結集』を前原氏も否定していない。前原氏周辺は『まずは自由、社民と合流し、小池氏と一緒になる時に民進党の名前を捨てて新党になる』といった構想を打ち明ける。

<進む融合>

もう一つの関門は、共産党との選挙協力の見直しだ。前原氏を支持した保守派は即時撤回を求めるが、『民共融合』が進む地方では戸惑いが広がっている。

前原氏は、共産党との選挙協力を『野合』と切り捨てていた。だが、7月の仙台市長選で民共共闘の候補が当選したことなどを引き合いに、地方組織から継続の要望が上がると、『地域事情を考慮する』と曖昧な言い回しに変わった。代表選前には小沢氏の誘いで共産党の志位委員長と会食。周囲に『共産党との間合いに悩んでいる』とも吐露している。

最初の試金石となるのは、10月に迫った衆院青森4区、新潟5区、愛媛3区の3補選だ。共産党は『野党統一候補をしっかり作りたい』(志位氏)と候補一本化に前向きで、民進党内にもリベラル派を中心に『選挙に勝つためには、悪魔とでも手を組んだ方がいい』(辻元清美衆院議員)と共闘継続を求める声がある。

『右に小池新党、左に共産党。前原氏がどちらを選ぶかで針路が決まる』民進党幹部はこう占った。

民進党の蓮舫前代表は『提案路線』を掲げながら、従来の『抵抗路線』から抜け出せず、党の支持率は1桁台に低迷したままっだった。『自民党以外の選択肢を示す』と決意表明した前原新代表が、憲法改正や安全保障、経済政策などで党の立場を明確にし、批判一辺倒の体質から脱却できるかどうかが焦点となる。

前原氏は1日の代表選の演説で、『私たちは新たな選択肢を示さなければならない。それは、国民に対する私たちの歴史的な責任、ミッションではないか』と訴えた。

外交・安全保障分野では『現実路線』、内政は『自民党との違いを出す』というのが前原氏の持論だ。

経済政策について、前原氏は個人消費の低迷などから『アベノミクスは失敗だった』と批判し、若者世代を中心に所得の再分配を増やせば消費拡大につながると主張する。財源は増税で賄う考えで、消費税率10%の引き上げを容認し、教育無償化などにも充てるよう唱えている。

保守系とリベラル系が混じる民進党は、安全保障関連法改正で路線を明確にせず、『何をしたいのか分からない』と批判を受けた。保守系からは『前原新代表の誕生で、ようやく現実路線を打ち出せる』と期待する声が上がる。ただ、前原氏は代表選で、安全保障関連法を違憲だと言及し、『修正』から『廃止』に転じた。『日米同盟の重要性は変わらない』としたものの、前原氏を支持した議員からは『リベラル派の支持を得ようと配慮しすぎだ』と反発が上がった。

憲法改正についても、自衛隊を明記する『加憲』の持論を封印し1日の記者会見では『党内にはいろいろな考え方がある』と述べるにとどめた。党内からは『難しいテーマから早くも逃げている』との指摘が出始めている」。

前原氏は、野党再編の軸を何にするのか。反安倍である限り護憲にせざるを得ないが、前原氏の持論である改憲論と矛盾するが。

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