2017年8月13日 産経「阿比留瑠比の極言御免」「10年前から続く印象操作」

産経の「阿比留瑠比の極言御免」に「10年前から続く印象操作」が書かれている。

「延々と続く森友・加計学園関連報道などを通じ、メディアが恣意的な切り貼りや『報道しない自由』の行使、レッテル貼りと印象操作などあらゆる報道技法を駆使して、気に食わない安倍晋三政権の倒閣運動を展開してきたことは、これまで何度も指摘してきた。

ただ、こうしたメディアのやり方は、今に始まったことではない。10年前の第1次安倍政権当時も、社会保険庁(現日本年金機構)の年金記録紛失が明らかになった『消えた年金問題』や、『政治とカネ』の問題をめぐって、メディアは安倍政権たたきに異様な情熱を注いでいた。

<「年金問題」当事者は>

『消えた年金問題』は、社保庁の長年にわたる怠業体質が引き起こした失態であり、本来は歴代政権が等しく監督責任を負うべきものだろう。安倍政権はむしろ、既得権益維持を図る社保庁の労働慣行を改め、『解体的な出直し』を訴えている側だった。

また、年金記録を紛失した当事者は、民主党を支持してきた公務員労組員たちであり、民主党こそが深い反省を示すべき場面だったはずである。

実際、フジテレビの番組「報道2001」による平成19年6月7日の世論調査の時点では、『問題の責任は誰にあるか』との問いへの回答は①歴代社保庁長官(64・2%)②社保庁職員(14・2%)③安倍首相(6・6%)――の順で、国民は比較的冷静だった。

ところが、多くのメディアは安倍首相が全部悪いとばかりに批判を続け、『不安は必ず解消する』との首相の言葉に対しても、不可能で無責任だと断じてその責任を追及した。

一方で、安倍政権が発足当初から社保庁改革を掲げていたことや、社保庁に支配的影響力を持っていた公務員労組が民主党とつながっていることは、ほとんど報じようとしなかった。

民主党の小沢一郎代表(当時)もこれに乗じ、この年7月29日投開票の参院選を『年金信任選挙』と位置づけた。こうして徐々に、安倍首相に対する不信の根が植え付けられ、一度懲らしめようという空気が高まっていく。

メディアは同時に、安倍政権の『政治とカネ』の問題も大々的に報じ続けた。閣僚の関係団体が政治資金収支報告書に、領収書に記されたものとは異なる郵便局名を記述していたことが分かったなどと、重箱の隅をつついては、まるで重大事であるかのように1面記事に仕立て上げていた。

だが、政治とカネの大騒動は、安倍政権が倒れて福田康夫政権が誕生するとぴたりとやんだ。福田氏をめぐっては、首相就任直前に、朝鮮籍のパチンコ店経営者から違法献金を受け取っていたことが判明したが、新聞各紙の扱いはベタ記事程度だった。さらに、総額950万円分の領収書のあて名書き換えや、公職選挙法違反にあたる国の公共事業受注企業からの計1150万円の寄付金受け取りも発覚したが、メディアはもうあまり関心を示さなかった。

<ネットが暴く不公平>

メディアが問題視すれば些細な行き違いが『巨悪』となり、メディアが目こぼしすれば問題などなかったことになる。相手が憲法改正を目指す保守派ならばあることないこと総動員してやっつけるが、近隣諸国に融和的なハト派なら都合の悪いことは報じない。

そんな悪弊は確かに当時もあった。ただ、あの頃と大きく変わったのは、インターネットのさらなる普及で、そうしたメディアの不公平で不誠実な姿勢が多くの人にばれてしまい、メディア自身が国民から強い批判と監視の目を向けられるようになったことだろう」。

「10年前から続く印象操作」は、正論である。10年前は「消えた年金問題」「政治とカネ」で7月の参院選惨敗、退陣となったが、今回は「加計問題」「日報問題」での都議選惨敗で救われた。衆院選挙は来年9月以降であり、1年間の再建期間があるからだ。自民党支持層の思想武装が必須となるが。x

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