2015年4月26日 日経 社説「株価2万が映す成長への期待を現実に」

「株価2万円台回復は通過点」
日経の社説に「株価2万が映す成長への期待を現実に」が書かれている。

「日本経済の体温計ともいわれる日経平均株価が、IT(情報技術)バブルの最盛時だった2000年4月以来、15年ぶりに終値で2万円台を回復した。

大きな節目を超えた株価が映すものは経済再生への期待である。期待を現実のものとしなければならない。政府は構造改革を進め、企業は成長志向の投資を拡大する必要がある。

日経平均は金融危機後の09年3月に7054円まで下げ、その後は一進一退が続いた。12年暮れに安倍晋三内閣が発足すると、アベノミクスへの期待から外国人投資家が、日本市場に資金を投じる動きを加速させた。

アベノミクスの第1の矢と呼ばれる金融緩和を受け、外為市場で円安・ドル高が進んだ。これにより製造業を中心に企業業績が改善した。第2の矢である財政政策も国内の景気を下支えし、株価の押し上げにつながった。

ただ、第3の矢である成長戦略の物足りなさを指摘する市場の声は多い。医療や雇用、農業といった分野の岩盤規制の改革を進める必要がある。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の合意も急ぐべきだ。そうした一連の施策により日本の潜在成長率が高まる道筋が見えないと、アベノミクスへの期待は失望に転じる。

株価の上昇が続く今だからこそ、安倍首相は改めて経済重視の姿勢を打ち出し、改革の先頭に立ってほしい。

上場企業は円安の助けもあり、15年3月期に7年ぶりに最高益となったもようだ。好業績を背景に配当などの株主還元を増やしている。これは株式の持ち合い解消が進み、主要株主が銀行から海外年金などに変わり、市場の強い圧力を受け始めた影響も大きい。

それでもなお、上場企業の手元には約100兆円の資金が積み上がっている。株主の声にさらに耳を傾け、還元ばかりでなく成長投資を増やす余地は大きい。そうした企業の動きが消費や雇用を拡大させ、経済が成長軌道に乗るという好循環を目指すべきだ。

株価上昇は世界的な現象でもある。各国の金融緩和を受け、市場にマネーがあふれているからだ。しかし年内には米国の利上げも予想され、世界的なお金のだぶつきは是正に向かい始める。長い目で見て投資資金を市場に引きつけるための努力を、政府も企業も続けなければならない」。

社説に書いている「大きな節目を迎えた株価が映すものは経済再生への期待である。期待を現実のものとしなければならない。政府は構造改革を進め、企業は成長志向の投資を拡大する必要がある」は、正論である。

アベノミクスの第1の矢である金融緩和を受けて、円高・ドル安が進み、企業業績が改善、第2の矢である財政政策も国内景気を下支えし、株価を押し上げたが、第3の矢の成長戦略の柱である岩盤規制改革、TPP交渉合意は未だ道半ばであるからだ。安倍首相は株価2万円台回復した今だからこそ、構造改革の先頭に立つべきである。企業においては、内部留保の100兆円の資金を設備投資、雇用、賃上げに回せば、好循環となる。15年ぶりの株価2万円台回復は通過点である。

pagetop